AI活用・DX
RPA・生成AI・AIエージェント、どれから始めるか
手・頭・新人 ― 3つの道具を業務で仕分ける
公開日 2026年8月1日 / 株式会社Lea Schritt

展示会でもニュースでも「AIエージェント元年」。焦りますが、落ち着いてください。中小企業の生成AI導入はまだ4社に1社で、乗り遅れではなく横並びです。慌てて高い道具を買う理由はありません ――ただし「様子見」にも費用は掛かります。生成AIの入口は、すでに月数千円まで下がっているからです。 本記事の立場を先に言うと、大事なのはツール選びより「どの業務に、どの道具を当てるか」。 まずカタカナを3種類に分けて、地図を1枚つくります。
数字で見る「AIの現在地」
導入しない理由の上位は「専門人材がいない」「利点を評価できない」「用途がない」。つまり止まっているのは 技術の問題ではなく、自社のどの業務に当てるかが決まっていないだけです。 逆に言えば、そこさえ決まれば入口はもう安い。言うなれば、様子見も高くつくのが今の局面です。
AIエージェントの予測値(5%→40%)は勢いの参考にはなりますが、予測は予測です。海外調査の予測値であり、 自社の投資判断の根拠には、まだ使わないでください。
AIの道具は3種類しかない ― 手・頭・新人
「RPA」「生成AI」「AIエージェント」。名前は違っても、やることで分ければ3つだけです。自動化は手、生成AIは頭(下書き係)、AIエージェントは新人(試用中)。ここを取り違えなければ、 売り文句に振り回されなくなります。
自動化(RPA・Power Automate・Python)
決まった手順を、間違えずに速く繰り返す道具。受注入力・転記・集計・照合など「毎回同じ」仕事が得意で、自分では判断できません。RPAは、人が画面でやる操作をそのまま自動で繰り返させる仕組みのことです。
費用感:Microsoft 365内の機能ならほぼ追加なしから。専用RPAは年数十万円規模
生成AI(ChatGPT・Copilot 等)
読む・書く・要約する・案を出す道具。見積文面・議事録・問い合わせ返信の下書きなど「言葉」の仕事が得意です。生成AIとは、文章や要約を自動でつくってくれるAIのこと。最終判断は人に残すのが前提です。
費用感:月数千円/人から。まず2〜3人で試せる ― 本記事が推す入口はここ
AIエージェント
目標を与えると、複数の手順を自分で組み立てて実行する道具。調べて・まとめて・入力して・送る、といった一連の作業を任せられる可能性がありますが、2026年時点では業務の手順やデータが整った会社でこそ活きる段階です。
費用感:月数万円〜+構築費。手順が文書化されていない会社では効果測定すら難しい
3つは競合ではなく、役割分担です
「RPAはもう古い、これからはエージェント」という売り文句を聞いたら警戒してください。決まった手順の反復は 今も自動化が最安・最確実で、生成AIは言葉の下書きで今日から効きます。エージェントは、その2つが整った 会社ほど活きる ― 置き換えではなく、順番の問題です。
「どれから」は、業務の性質で決まる
道具が3種類に分かれたら、次は自社の業務を置いてみます。判断軸はたった2つ。縦軸は「手順が決まっているか」、横軸は「言葉を扱うか」。この2軸でできる4象限に業務を当てはめると、 当てる道具が自然に決まります。
手順が決まっている × 数字・データ
→ 自動化(Power Automate・Python)
受注入力・転記・集計・照合。最も確実に金額が出る象限。ここにAIは要りません。
手順が決まっている × 言葉・文書
→ 生成AI + 自動化の合わせ技
定型の案内文・督促・FAQ回答。型は自動化で流し、文面だけ生成AIが埋めます。
判断が要る × 数字・データ
→ データ分析・BI(AIは補助)
需要予測・値決め・在庫の発注点。まずはデータ整備から。AI任せはまだ早い段階です。
判断が要る × 言葉・文書
→ 生成AI(下書き)+ 人の確認
見積文面・クレーム返信・企画書。AIが下書き、人が判断 ― この分業が定着の型です。
迷ったら:言葉の仕事なら生成AI、繰り返しの仕事なら自動化
AIエージェントは、複数の象限にまたがる一連の仕事(調べて・まとめて・入力して・送る)を任せる道具です。 だからこそ、各象限がまだ個別に回っていない会社では、任せる仕事の単位がそもそも存在しません。 まず1つの象限で成果を出す ― エージェントはその後、というのが本記事の答えです。
自社の主要業務を実際に書き出して仕分けるための記入式シート(時間を食っている業務8つを埋めて道具を仕分ける)と、買う前チェック5問は、実務ガイドに収録しています。
「様子見」にも、値札がついています
見積文面・議事録・要約のような「言葉の作業」を月に数十時間抱えたまま様子見を続けると、その時間は ずっと人件費に溶け続けます。たとえば実務ガイドでは、営業事務・総務の3人が生成AIを使うモデルケース (従業員80名規模の設例)を、年10.8万円の利用料に対して手残り約61万円という試算で示しています。
この試算に「AIエージェント」は入っていません。任せられる仕事の単位がまだ書けない段階では、回収の 見込みを試算のしようがないからです。試算できないものは買わない ― まず生成AIと自動化を回し、 エージェントは「観察リスト」で待つ、という順番になります。 (自社の数字に置き換える計算式と、この観察リストの書き方は実務ガイドに収録)
※ モデルケースは従業員80名規模を想定した設例(時給2,500円換算・利用料は一般的な水準からの想定値)です。効果を保証するものではありません。
続きは「明日から動ける道具」で
ここまでが、道具の見分け方と「どこから考えるか」の全体像です。実際に動くには、自社の業務を仕分ける シート・買う前チェック・使う人と入力ルールを決める段取り――この「道具」が要ります。全12ページの 実務ガイドに、すべて揃えました。
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仕分けシートが空欄でも構いません。その場で一緒に業務を仕分けながら、貴社の「最初の3用途」と 入力ルールのたたき台をご提案します。診断後の営業・追客はいたしません。
出典:中小企業の生成AI導入率(23〜25%・大企業は43%超)は総務省「情報通信白書 令和7年版」ほか/ 導入しない理由(専門人材なしが5割超)は民間まとめ・参考値/AIエージェント組込率(2025年5%未満→2026年40%)は Gartner社の予測(海外調査・予測値であり導入判断の根拠には用いないでください)。 本記事はお役立ち資料 vol.10「RPA・生成AI・AIエージェント、どれから始めるか」の要点を再構成したものです。