株式会社Lea Schritt無料相談

脱Excel・業務効率化

そのExcel管理で、いくら損していますか

二重管理の「見えない損」を金額に変える

公開日 2026年8月1日 / 株式会社Lea Schritt

先に申し上げます——Excelは素晴らしい道具ですし、ファイルが増えるのは仕事をしている会社として当たり前です。 損の正体はExcelの数ではなく、同じデータの「正(マスタ)」がどれか決まっておらず、人がコピペで運び、1人しか触れないという管理のばらけにあります。 顧客管理を紙やExcel等で行う中小企業は約4割(東京商工会議所)——これは貴社だけの話ではありません。 本記事の立場を先に言うと、答えは「削減」ではなく「一元化」。感情論ではなく、見えない損を金額に変えていきます。

数字で見る「Excel運用」の現在地

まず、これが特殊な会社の話ではないことを数字で確認します。顧客の情報を紙やExcelで持ち、受発注は電話・FAXで受ける——入口から手作業のデータが生まれ続けるのが、多くの中小企業の現在地です。

約4割
顧客管理を「紙の台帳」または「Excel等」で行う中小企業
東京商工会議所 DX実態調査(2025年)
32.8%
データ活用を「Excel等」に依存している企業
IT系メディア掲載調査(民間参考値)
2割超
受発注をいまも「電話・FAX」で処理している
東京商工会議所 DX実態調査(2025年)

この損は、決算書に出てこない

二重入力も手集計も探す時間も、すべて「人件費」に溶けています。見えない損は、経営判断の対象になりません。だからまず金額にする——それがこの記事のテーマです。 なお、デジタル化の取組段階が高い企業ほど労働生産性・売上高が増加している(2022年版 中小企業白書)のは、この損を回収したからだと考えられます。

「Excelが3つある会社」で起きること

損が生まれる現場は、だいたい同じ道すじをたどります。ファイルが3つに分かれた瞬間から、次の3つが静かに始まります。

① 同じ顧客情報が、3つのファイルにある

営業の顧客リスト・経理の請求先一覧・総務の宛名Excel——それぞれが別々に更新されていきます。営業用・請求用・年賀状用と、同じ顧客の情報が3カ所にあるのはよくある光景です。

② どれが最新か、誰も知らない

住所変更が営業のExcelにだけ反映され、請求書は旧住所へ。「最新版どれ?」を確かめる時間が日常になり、食い違いの事故(誤請求・二重発注)もここから生まれます。

③ 直せる人が、1人しかいない

関数とマクロを組んだ「Excel職人」への依存。その人の休暇が月次決算の遅延になり、本人が退職すれば「触るのが怖いファイル」だけが残ります。

損失の4類型 ― 時間の損は「時間×時給」で金額にできる

二重管理の損失は、突き詰めると4つの型に分かれます。①〜③は「時間×時給」で金額に換算でき、④はチェックで診断します。 時給の目安は「月給÷160時間」——月給40万円なら約2,500円が目安です(社会保険料等を含めれば実コストはさらに1.3倍程度)。 大事なのは1円単位の正確さではなく、「桁」を見ること。月5万円の損と月50万円の損では、打つ手が違うからです。

① 二重入力

同じデータを、何度も人が打ち直す

受注をExcelに打ち、基幹にも打ち、請求書にも打つ。1件5分でも月300件なら25時間。同じデータが2カ所以上にあれば、そこに二重入力と食い違いが必ず潜んでいます。

② 手集計

「作る時間」であって「考える時間」ではない

毎週・毎月のレポートづくり。各部署のExcelをかき集め、コピペで貼り合わせ、グラフを整える——月次レポートが「Excel職人の夜なべ」になっている会社は少なくありません。

③ 探す・確かめる

小さく見えて、人数分だけ積み上がる

「最新版どれ?」「この数字どこから?」の往復。1人あたりは1日数分でも、人数と日数を掛けると大きな時間になります。(人数・分数を入れて年額にする計算式は実務ガイドに収録)

④ 属人ファイル

「その人が抜けた日」に一括で請求される

複雑な関数・マクロを1人が抱えるリスク。これは時間の損ではなく、止まった瞬間に請求・給与・月次決算が遅れる損失。金額ではなくチェックで診断します。(属人リスクチェックは実務ガイドに収録)

よくある反論に「人件費は固定費だから浮かない」があります。答えは3つ——残業代は実際に減る変動費であること、増員を回避できること、食い違い事故は実際に出ていく金であること。 それぞれを自社の数字で計上する記入欄は、実務ガイドの計算シートに用意しています。

対策は、費用ゼロの「決め事」から

金額の大きい損から順に手を打ちます。ここで大事なのは順番——高い道具から買わないこと。 数百万円の基幹システム刷新は、マスタが整理されないまま行うと「散らかったデータの引っ越し」になります。まずは費用ゼロの決め事からです。

対策①

マスタを1つに決める(管理の一元化)

費用ゼロ・今月中にできる一手。顧客・商品・単価ごとに「正はこのファイル」と決め、他は参照だけにする。ファイルを減らさなくても、二重入力と食い違いの根はこれで断てます。(記入式のExcel台帳棚卸しシートは実務ガイドに収録)

対策②

入力は1回、あとは自動で流す

入口で1回入力したデータを、他のファイルやシステムへ自動転記。現場のExcelは取り上げず、裏で流れを変えるだけ。だから抵抗なく始められます。

対策③

手集計を自動レポートに/属人マクロは仕様書化

毎月の定型集計から自動化し、BIツールはその後で。属人マクロは、作った本人がいるうちに処理の流れを1枚のメモに。どこから手を付けるかは、損失額の大きい順に決めます。(優先順位の早見表は実務ガイドに収録)

「そのままにする」にも、値札がついています

二重入力や手集計に月◯十時間かかっている会社は、それを続けるだけで年間で数十万〜数百万円規模の「見えない年会費」を払い続けています。 付録の早見表で言えば、月40時間のムダ(時給2,500円)は年120万円——新人の年収の半分近くに相当します。 「人を1人増やす」前に、この損を回収するほうが早くて確実です。

実務ガイドの記入例(従業員80名の製造業・モデル試算)では、二重入力・手集計・探す時間の合計が年約189万円と算出されました。マスタ統一(費用ゼロ)から着手した6カ月後の回収額は年約135万円の試算です。 ——ただしこれは80名規模のモデル試算であり、効果を保証するものではありません。 大切なのは、この計算を自社の数字に置き換えて出すこと。そのための記入式シートを用意しました。

続きは「明日から動ける道具」で

ここまでが考え方の全体像です。実際に自社の損を年額にするには、記入式のExcel台帳棚卸しシート・損失の計算シート・年間損失の早見表・属人リスクチェック—— この「道具」が要ります。全12ページの記入式ワークブックに、すべて揃えました。約30分、実務担当の方とご一緒にどうぞ。

データ整備の現在地診断(無料・約45分)

診断シートが空欄でも構いません。その場で一緒に埋めながら、損失計算の検証と、マスタ統一・自動化の設計図をご提案します。診断後の営業・追客はいたしません。

出典:顧客管理が紙・Excel等で約4割、受発注の電話・FAXが2割超は東京商工会議所「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」(2025年)/データ活用のExcel依存32.8%はIT系メディア掲載調査(民間参考値)/デジタル化の取組段階が高い企業ほど労働生産性・売上高が増加は2022年版 中小企業白書。 記入例(年189万円)は従業員80名規模を想定したモデル試算(時給2,500円換算・効果を保証するものではありません)。 本記事はお役立ち資料 vol.08「そのExcel管理で、いくら損していますか」の要点を再構成したものです。